広告製作
はじめに
新商品の市場投入の前段階にカタログやWebページを準備することがほぼ必須の作業と言えることに対して、広告の準備はゼロから大量投入活動まで幅広い選択肢があります。
このため予算と戦略から、広告の範囲・期間・深さを計画していくことが必要となります。特に、広告に大量費用投入を計画する場合は、その内容を適確に作り上げて行く必要があります。
もし、テスラ自動車のように、プレスリリース、マスコミ対応だけで新商品が登場する情報をターゲット顧客層に届けることができるのであれば、費用がかかる広告を行う必要はありません。広告はゼロで済みます。
でもそういう例は希でしょうから、広告を行う場合の手順を把握しておきましょう。
スケジュール
そうなると、広告の準備は、新商品の発表前の数ヶ月前から準備を行うこととなります。つまり、カタログやWebページの製作と並行して行うことになります。
また、できるだけカタログやWebページの製作で用意した、コピー、説明文、写真、図、表・・・を流用できると望ましいでしょう。そうすることでメッセージを一本化して効果的な広告を実現すると共に、費用を抑えることも実現できます。
また、新商品発表時の一発だけの広告で新商品が顧客候補の方々に知れ渡ることは希なので、継続的に広告を行って行くことも考慮する必要があります。よって、新商品の発表のタイミングから、数ヶ月後から1年ぐらいの計画も考えておくことも必要です。
広告の媒体
広告は幅が広く多彩です。商品・サービスの特長と、これを買ってもらいたい顧客層の特性により、適切な広告媒体を選ぶ必要があります。
また、可能であれば複数の広告媒体を使って相乗効果を生むようにすることも考察する必要があります。さらに、継続性を考慮することも欠かせません。
そうした広告媒体の種類をざっと列挙してみますと、
- 新聞や雑誌に見られる紙面の広告
- 駅や街角に見られる大小の看板やポスター
- TVやラジオの放送メディアを使った広告
- インターネット:ネット記事のページの合間に差し込まれて表示される広告
- インターネット:Youtubeの合間に流れる映像の広告
- インターネット:Googleで検索すると検索結果の上下左右に出てくる広告
広告の3大ポイント
広告を行うためには、①媒体の選択 と ②コンテンツの制作の2つの作業を行う必要があります。さらに相応の費用を使う広告を行う場合は、広告代理店に相談して彼らに手数料を払って媒体の買い付けやコンテンツ制作の諸調整をしてもらうことが必要になります。このため媒体の選択とコンテンツの制作の2つの作業に加えて、③広告代理店選びもケースによっては欠かせない作業となります
- 媒体の選択
顧客候補が接する可能性のある媒体を選びます。新聞に広告を出すのか、TVでコマーシャル映像を流すのか、雑誌に広告を入れるのか、インターネット広告か・・・を決める必要があります。
有名な全国新聞に1面抜きの広告を出すならば数千万円。TVのコマーシャルならば数億円~数十億円の費用を用意する必要があります。雑誌の広告であれば、雑誌の人気度によりかなり幅があります。カラーかモノクロか。ページの位置により数倍の開きがあります。専門誌であれば数十万円から広告の出稿も可能です。
ある程度の知名度がある広告媒体は、その媒体の企業に(例えば新聞社、TV局、出版社)、「広告を出したいのでお願いします」と相談するのではなく、広告代理店に相談して、彼らに手数料を払って諸調整をしてもらうことが業界常識です。一方、専門誌であれば、その雑誌の発行会社に直接頼むことになります。
- コンテンツの制作
媒体を選択しただけでは広告は実施できません。広告用のコンテンツを作らねばなりません。新聞に広告を出すならば、広告原稿を作る必要があります。同様にTVコマーシャルで映像を流すならばそのCM映像を作る必要があります。
この製作にも費用が必要となります。高額な媒体ほどレギュレーションが細かく定められており、それぞれの媒体のレギュレーションを熟知している業者を使う必要もありますので、一般的なコンテンツ制作よりもさらに費用がかかることになります。
※それに加え、有名人を広告に起用すれば相応の費用を支払う必要があります。知名度のある女優うぃ広告に起用しようとすれば、数千万円~数億円の費用が別途必要になります。その際は、女優が所属する事務所と契約をするのではなく、権利の諸調整も必要となってくるので広告代理店などに費用を払って仲介をしてもらい諸作業をしてもらう必要もあります。
- 広告代理店選び
広告代理店として一番有名なのは「電通」で日本のビジネスパーソンならば知らない人はいないでしょう。お金が十分にあれば(数千万円以上)電通のような広告代理店の営業に相談すれば、あらゆる広告の相談に乗ってくれるでしょう。さらに広告代理店には、インターネットに強いサイバーエージェントや、駅広告ならばその鉄道会社の子会社の代理店があるように、媒体の種類に特化した広告代理店も多くあります。
※電通を筆頭に広告会社は、お金さえ出せば金額に応じたド派手な広告を作ってくれます。それを見て、派手さゆえに「良い広告ができた」と誤った判断をしてしまうことが無いように注意しましょう。広告の成否は、戦略で考察したターゲット顧客に顧客価値を伝えて、時には競合との差別化ポイントをアピールすることが出来たか否かが大事です。派手さの度合いは必ずしも成果に直結しません。そこに目を奪われないように注意しましょう。広告会社はあなたの戦略まで考えてはくれません。
(広告会社の方々は概して頭の良い方々なので頼りになりますが、あなたの新商品・サービスの成功に責任を持っているワケではありません。広告会社の手のひらに載せられている人を多く見てきました。手段と目的が混同しないように注意をしましょう。
広告の準備の流れ
新商品アピールのために広告に投入できる相応のお金が確保できているのであれば(数千万円~)、広告代理店に相談しながら広告を行う準備を進めれば良いでしょう。もちろん、広告代理店と相談する前に、新商品・新規事業を市場投入するための戦略は事前に練られており、広告代理店の新人営業パーソンにも腹落ちする説明ができるようになっていることが必要です。
一方、それほど広告に費用を投じない(or 投じるお金が無い)場合は、新商品・新規事業を担うリーダーが自らが広告準備の切り盛りを行わなければなりません。そこで、以降はそうした条件で広告についての説明を行って行きます。
もちろん広告代理店を使う場合でも以降の内容は知っておけば有用です。彼らの力をより活かすために必要な質問や提案を行うこともできます。また、代理店の言いなりにならずに済みます。
ここでは、2つの広告を例に説明することにします。
1) 雑誌に広告を出す。(例えば、表紙の裏の1面にカラーの広告を入れる)
2) Googleにリスティング広告を出す。(Googleの検索エンジンに付随して表示される広告)
1)雑誌に広告を出す
- 広告を出したい雑誌の出版社に連絡を取る
- 原稿のレギュレーション、入稿の日付を把握する
- 原稿の作成を、カタログの製作を依頼した業者に依頼する
- カタログと広告の原稿に載せる相違点を製作業者に指示する
- 出来上がった原稿を出版社に送る
- 広告が雑誌に掲載された後のアクション
2)Googleにリスティング広告を出す
- キーワードを決める
- ランディングページを作る
- Googleに連絡を取って契約する。入金する
- Googleの検索エンジンに広告が掲載される。
- 広告が掲載された後のアクション
雑誌に広告を出す
- 広告を出したい雑誌の出版社に連絡を取る
また、あなたの商品の競合と思われる会社は、どんな雑誌に広告を出しているでしょうか?調べて参考にしましょう。ただし、あなたの商品が業界の先頭を切る商品であれば、お客様や競合の動向から有用な情報を得られないかもしれません。
また、業界の先頭を切る商品では無いとしても、必ずしも、あなたの新商品・新サービスの購入が雑誌への広告とは結びつかないこともあります。そのような場合は雑誌への広告は見送るほうが良いかもしれません。
以上の検討の上で、広告を出したい雑誌が絞り込まれたら、広告を出したい雑誌の出版社に連絡を取ってみましょう。喜んで広告を出す相談に乗ってくれるでしょう。なお、場合によっては、出版社から専門部署や代理店の窓口を相談先として指示される可能性もあります。(例えば、日経ビジネスという雑誌に広告を出そうと思ったら、日経BP社の広告対応部門が紹介されることになるでしょう)
- レギュレーション、入稿の日付、費用を把握する
出版社とコンタクトをして、雑誌の発刊タイミング、広告原稿の入稿締切日を把握します。また、広告原稿を作るためには、どんな条件(配置、カラーorモノクロ、1面or1/2面or1/4面・・・・)であるのかを確認しておく必要があります。もちろん、費用についての説明も受けることになるでしょう。発行部数も聞いておきます。過去数ヶ月分の雑誌を見本として受け取りましょう。また、これからの発刊計画(例えば、特集記事の計画)を聞いておくことも必要です。
いくつかの広告を行う媒体(ここでは雑誌)から諸情報を聞き出しましたら、具体的な計画の検討に入ります。
まず、広告を行う雑誌の日程を検討します。
新商品の発表のタイミングや重要イベントの予定日以降に近い雑誌の発刊日をチェックし、この号に間に合う広告原稿の締切日を新商品マーケティングのスケジュールに組み入れます。
例:もし12月3日に新商品を発表するならば、
・12月3日以降に発売される雑誌に広告を入れることとします。(例えば、12月10日に発売予定の雑誌があるとしましょう。)
・この雑誌の広告原稿の締切日を確認します。(例えば、11月20日などと指定されるとします。)
・この日時(11月20日)までに、広告原稿を仕上げる計画で広告の諸準備をしていくことになります。
また、広告の位置や大きさを雑誌の編集者に相談して決める必要があります。位置や大きさにより広告費も変ってきます。
例えば、表紙の裏などの一等地が確保きるのか? さらに、ある程度の費用が確保できるとしたら一等地を、今後数ヶ月分の予約(買い占める)などの相談も行うと良いでしょう。顧客に新商品の存在を認知してもらうためには、1回だけの出稿ではなく、ある程度は中長期に渡って露出を続けるほうが確実に効果を出せるからです。あなたも雑誌を読んでいればその気持ちはわかるでしょう。
ただ、新商品の広告に投じられる費用に制限があれば、一等地ではない場所に、モノクロ1/2ページでの半年間の継続広告ということも考えられます。
さらに、特集記事の計画に応じた広告の準備をすることも考慮すべき事柄になります。
もし、これから市場投入する新商品の話題に近い特集記事が組まれる予定があるのならば、特集記事の終わりに広告を挿入することで広告の効果を高めることが期待できます。場合によっては、特集の記事の中で、新商品を話題の中に取り扱ってもらうように依頼することもお願いすべきでしょう。
ただし、出版社の営業は広告を出してくれるスポンサーの意向を叶えるべく編集長などの関係者に依頼をしてくれると思われますが、記者はジャーナリストとしての公平性を保つ矜持を持っているため、必ずしもあなた(スポンサー)の意向に沿うようには動いてくれない可能性もあることを知っておきましょう。
- カタログの製作を依頼した業者に製作を依頼する
広告原稿の以下の諸条件が確定したらこれを業者に伝えて原稿を作ってもらうことになります。必ずしもカタログ製作業者に依頼する必要はありませんが、カタログの製作を依頼した業者に任せると効率的でしょう。
・入稿のタイミング
・大きさ、カラーorモノクロ
・広告原稿のレギュレーション
・入稿する原稿の条件(DTPの種類やフォーマット)
- カタログとの相違点を製作業者に指示する
カタログの表紙をそのまま雑誌社指定のフォーマットに作り直して広告原稿を仕上げることも方法ですが、ここでもう少し考えることにしましょう。
そもそも広告のサイズによっては、カタログに掲載していた訴求ポイントを幾つも書くスペースが無いかもしれません。あるいは細かな説明文を表記するスペースも足りないかもしれません。また、その雑誌の読者像のイメージに合わせた訴求ワードに修正を加えるほうが広告の効果が増すことあるでしょう。だから、カタログ製作時のキャッチフレーズをそのまま記載するのではなく、最適化を図るほうが良い場合もあるのです。
○訴求ポイントの再考/最適化
まずカタログやWebページの製作時に、マーケティング視点で顧客価値や競争優位性を意識してキャッチフレーズや訴求3大ポイントを決めたことを思い出してみますしょう。そして、改めて、その雑誌の読者イメージと新商品の特長を考慮し、広告用にチューニングしたキャッチフレーズや訴求ポイントを考察します。微修正や選択や省略を行います。特に必要性を感じなければ、カタログと同じ訴求要素をそのまま流用することでも構いません。
○インパクト
パラパラと雑誌をめくっていく中で、「おっ」と目を留めてもらわなければなりません。説明文がコマゴマと書かれた広告ではあまり目に留まず、読み飛ばされることになってしまうでしょう。やはり、目を引くビジュアル(写真など)と簡潔なキャッチコピーがあることが望ましいでしょう。(もし、細かな説明を記載した広告を出したいのであれば、記事広告という別の手法もあります。雑誌社に相談しみれば、受けていただけるかもしれません。もちろん、別途費用がかかります。)
インパクトで重要なビジュアルは、カタログをそのまま掲載しても通用する場合もありますが、その雑誌の読者の興味を喚起するように、その雑誌の掲載に合せて撮影やCGや説明図を新作することも考えられます。これは費用や工数との相談となります。カタログやWebページの製作時に広告出稿も想定して準備を進めていることができていればこうした費用や工数を削減できるでしょう。(実際はなかなか難しいものです。)
○競合との差別化
もし競合も広告を掲載している場合は、この内容を研究する必要があります。読者は2つの広告を見比べることになります。当然ですが、競合よりも優れているポイントを伝えることを自分の広告に入れたいものです。
競合と真っ向勝負で、性能や機能の優秀さを訴求することも1つの方法です。日本では露骨な比較広告はあまり見かけませんが、客観的なデータとして示すことができれば比較広告を行うことも考えられます。同じ土俵で勝負するということです。
あるいは、競合とは違う視点で、便利さやお役立ちポイントなどの顧客価値を伝えることも方法です。土俵を変えて勝負をするということです。この考察には、プロダクトライフサイクルのフレームワークを理解し、それぞれのステージに応じた打ち手を行うと良いでしょう。
見栄えなどの印象も大事になります。カッコイイ写真、安心感が高い写真などを掲載することで、競争優位や顧客価値の訴求とは異なるアドバンテージを得ることを狙うこともできます。ブランドイメージを広告で作り出していくことで競合に打ち勝ち、市場でシェアを拡大していく手段の一つとなり得ます。ロゴなどのブランドのイメージに直結するビジュアルは効果的な配置を考えましょう。
○連絡先を明示する
広告を見た読者が、購入に繋がるアクションを行うように、必要な情報を記載しておくことも大事になります。例えば、「詳しくはWebで・・・」の記載やQRコードの配置。連絡先の電話番号を記載(その際は電話受付可能な曜日や時間なども)、「販売している拠点の住所や地図」、「全国***のお店で」など
商品名を知ってもらうだけのイメージ広告ならば、こうした情報を付加していく必要はありません。ただ一般的には、新商品を買ってもらいたでしょうから、それに繋がる誘導情報も入れておきたいものです。
- 法令違反が無いように注意する
インパクトを与えたいから、あるいは、競合を蹴落としたいからと言って、軽々しく「当社はナンバーワン!」などとは書かないように注意しましょう。客観的な根拠を提示できなければ誇大広告になり、場合によっては法令違反になります。また、競合企業から訴えられる恐れもあります。
もちろん、客観的な情報を提示できるのであれば、それを補足情報として広告内にコメントとして掲示しながら「当社は、選ばれてシェアNo1」のような広告は可能です。入念な調査や調整をした上で行いましょう。
- 出来上がった原稿を出版社に送る
原稿を念入りにチェックし、関係部門にも意見を聞きながら組織として原稿を予定期日前までに完成させます。完成したら雑誌社に原稿データを送ります。入稿と言います。
もし、あなたの組織がコールセンターを持っていれば、発刊日以降にお客様からの電話問合せが入ることが想定されます。コールセンターのメンバーがどんな広告が出ているのかを知らないければお客様対応に困ることになりますので、広告原稿と雑誌発刊日の情報をコールセンターのキーパーソンに送っておきます。さらに、「良くある質問」としてQ&A集をコールセンターのキーパーソンと相談して作っておくことができればより良い望ましいでしょう。
同様に、営業部門も、雑誌を見たお客様や代理店や店舗から相談を受けることになるので、営業部門のキーパーソンにも同じように情報を共有しておきましょう。
- 広告が雑誌に掲載された後のアクション
広告が掲載された雑誌が発刊日ごろにサンプルとして数冊送られてきます。自部門、コールセンター、営業部門など顧客接点のある窓口を中心に関連各部門に送りましょう。このため、あらかじめ必要な部数を雑誌社に伝えておく必要があります。もし、サンプルが数冊では足りず、より多数の雑誌が必要となるような場合は(全国支店にも送る・・・など)、出版社に予約して買う旨のお願いもしておきましょう。
広告の出稿による経営効果を分析しましょう。具体的には、広告の効果で、Webページのヒット数が増えたのか? お問合せの電話が増えたのか? 営業部門の反応は? 競合は何か対抗策を打ってきたか? ・・・などなどです。
すぐには効果が出ない商品やサービスもありますので一喜一憂する必要はありませんが、広告の効果を数値などで把握する活動も忘れずに行い、その雑誌への広告を継続するのか?、他の雑誌にするのか?、他の広告媒体に費用を投じるように変更するのか?・・・などを検討していきましょう。
雑誌の編集者にも評判や意見を聞くことで、自分達では気付かなかった商品・サービスの良い点、悪い点の情報が得られることもあります。また、雑誌の編集者から顧客層のニーズや業界動向についての情報も得ることができれば、次の一手を考察するための情報となります。
広告は一方的に情報を送り出すだけの活動ではなく、情報を収集する機会ともなり得るのです。そして現場の情報を反映させるように戦略を修正していくことは、新商品・新規事業を担うリーダーにとって重要なアクションとなります。(これは他の誰も行ってくれません。)
- 派生
ただし、駅の看板広告は雑誌の広告とは異なる視点で、表現方法を工夫する必要があります。例えば、駅の看板の場合であれば、通りすがり数秒の時間で興味を持ってもらう必要があります。細かな文字の書き込みは、雑誌よりも一層、逆効果になります。(敢えて逆張りの主張をしている広告も時々目撃はしますが)
広告媒体を見る人の立場になって、考察・調整していくことさえ忘れなければ、雑誌の広告をベースに応用できることは広くあります。
Googleにリスティング広告を出す
- キーワードを決める
まず、単独のキーワード、組み合わせのキーワードなどを考えます。Webページ製作のSEO対策の項目の内容も参考にして考えてください。
次に、広告で表示される見出しや説明の文章を考えます(見出し=半角30文字/説明文=半角90文字以内/会社名=半角25文字以内)
商品写真も表示されるパターンでの広告を希望の場合は、商品写真も用意します。
広告に、時間や場所の補足条件を加えることもできます。
例えば、業務用の商品であれば、ビジネスが行われる平日の日中に広告が表示されると良いでしょう。一方、趣味の商品であれば、休日や平日の通勤時間帯に表示されると良いでしょう。(無駄な広告に費用を浪費せずに済みます)
また、地域を限定した集中戦略を行うの場合は、地理的にターゲットとしている県や市町村のエリアからの検索に対して絞ることができます。(無駄な広告に費用を浪費せずに済みます)
以上の情報をEXCELで表にまとめます。
- ランディングページを作る
広告をクリックしたら、LINKされて飛んでくるWebページを用意します。(ランディングページと呼ばれます)
既に存在しているWebページ(例えば商品の紹介ページ)を広告のランディングページにすることでもOKです。しかしながら、広告用に特化したページを用意することができれば、より望ましい結果が得られるでしょう。 顧客候補の方が抱いた興味に応える内容のページを用意することで、より深く商品購入へと顧客候補の方を導いていくことができます。
- 費用を決める。Googleに発注する。
1ヶ月に使う広告費用の上限を決めます。また、キーワード毎に広告の単価も決めることもできます。(Googleにお任せする選択もあります)
なお、決めた費用の上限まで宣伝が必ずできるとは限りません。なぜならば、選んだキーワードによって広告の費用は変動するからです。
例えば、滅多に検索されないようなキーワードを選んだ場合には、広告が出現する頻度は少なくなりますので広告費用は予定した金額ほどには使われない可能性があります。この場合、広告が行われないので広告効果も乏しくなってしまいます。
逆に、人気の高いキーワードを選んだ場合は、頻繁に広告が出現することで、予定した広告費用を1ヶ月の期間を待たずに、使い切ってしまうこともあります。 あるいは、人気の高いキーワードを選んだ場合でも、競争相手が多数いれば、高い広告単価を設定した競争相手の広告ばかりが表示されるため、あなたの広告が出現せずに、広告費用は予定したほどに使われない可能性もあります。もちろん広告効果は乏しいものに終わります。
なお、あなたが自らGoogleに発注するのではなく、Googleの検索エンジンの広告を専門に扱う広告代理店に発注する方法も検討に値します。一般的にそれほど費用はかかりませんので、新商品のリーダーの方が慣れない手続きをネット上で行う手間(つまり、コストと時間)を考えると効率的かもしれません。 新商品を担うリーダー以外に”顧客が検索に使うキーワードを選定することは困難である”のに対し、Googleへの登録は他の人でも代替可能な作業であるからです。よって、新商品を担うリーダーは、登録に必要な情報をまとめたEXCEL表を作るまでに留めて、それ以降は業者に任せることをお勧めしたいと考えます。
- リスティング広告後のアクション
広告の出稿による経営効果を分析しましょう。具体的には、広告の効果で、Webページのヒット数が増えたのか? お問合せの電話が増えたのか? 営業部門の反応は? 競合は何か対抗策を打ってきたか? ・・・などなどです。
また、キーワードの変更、説明文の変更、ランディングページの変更なども検討します。
すぐには効果が出ない商品やサービスもありますので一喜一憂する必要はありませんが、広告の効果を数値などで把握する活動も忘れずに行い、この広告を継続するのか? 他の広告媒体に費用を投じるように変更するのか?・・・などを検討していきましょう。
少なくとも半年ぐらいは継続して、効果を見極めましょう。
最後に
新商品の内容・特性によって広告を行う媒体は大きく異なります。
しかし、訴求する内容は顧客価値や競争優位であり、この基本はどんな広告であろうと変りません。ここがブレないように注意する必要があります。
そのためには新商品の戦略がしっかり考察できていなければなりません。そして戦略を考察するためには基本的なフレームワークの理解はビジネスパーソンとして必須となります。
ただし、それが若者層向けの商品であるような場合は、若い世代はTVを見る時間が中高年層に比べて少なく、同様に新聞を読むことも少ないため、必ずしも適切ではない計画となります。昭和から平成時代の過去の広告業界のセオリーでは通用しません。注意が必要です。
→フレームワークの理解を深める。
「プロダクトライフサイクル理論」 「普及理論(イノベーター論)」 「競争戦略」
このように、同じ商品あっても、プロダクトライフサイクルのステージの進展により、また、選択した競争戦略の種類によって、広告を行う媒体は大きく異なります。 しかしながら広告代理店はそんなことは考慮してくれません。TV広告を行うなどド派手でお金を掛けてもらった方が儲かるからです。様々な理屈をつけてお金を使わせる提案をしてくるでしょう。ビジネスなので当然のことです。 よって、新商品・新規事業を担うリーダーは、広告代理店の言いなりにならず、逆に、立案した戦略に基づき、彼らを上手に使って行かなければなりません。時に広告には多額の費用を必要とするために注意が必要です。
Googleが非常に儲かっているのも、TV局や電通などの大手広告代理店が儲かっている(給与水準が極め高い)のも、オリンピックやサッカーなどのスポーツ業界とこれに関連する一部関係者が儲かっているのも、広告を扱うことで大きな利益が出るからです。それほど広告は多額の費用が動く世界であり、つまりは注意が必要な世界なのです。
もし、新商品・新規事業の戦略を考察した結果、多額の費用を宣伝に投じることが妥当な判断だという結論に達した場合、広告の媒体や内容は、よく検討を重ねた戦略に基づいたしっかりとした投資になっていなけなりません。逆に言えば、新商品・新規事業の戦略を考察できない人物は、(特に多額の費用を投じるような)広告を行うことは避けたほうが無難ということです。
→重要フレームワークの理解を深める。