イチカワ・新規事業・マーケティング・研究所

フレームワーク

新商品・新規事業の重要フレームワーク BEST10 

 経営学者の研究や経営コンサルタントファームの実務提案から、数々のフレームワークが提唱されています。その中でも、新商品・新規事業を担うリーダーの方が掌握しておきたベスト10を選びました。各フレームワークの説明ページでは、一般的な解説を行いつつも、新商品・新規事業に必要な点を特に厚く解説を行なっています。 また、実務ではそれぞれのフレームワークを組み合わせて活用していく必要があるため、より多く理解して、連携させて活用ができるようになれば効果は高まります。

     << はじめに >> まずお読みください。

 ランク     名称             重要度  理解容易度 活用容易度
 1  A 顧客価値             ★★★★★ ★★★★☆ ★★☆☆☆
 2  A 競争戦略             ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆
 3  A プロダクトライフサイクル論    ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆
 4  A イノベータ理論(普及理論)    ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★★
 5  A マーケティングの4P       ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆
 6  B 5Forces          ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆
 7  E VRIO             ★☆☆☆☆ ★★★☆☆ ★☆☆☆☆
 8  C ランチェスターの法則       ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆
 9  D SWOT分析           ★☆☆☆☆ ★★★★★ ★★★★☆
10  C イノベーションのジレンマ     ★★☆☆☆ ★★★★★ ★☆☆☆☆
  - - - -  執筆中 ・ 執筆予定 - - - - - - - - - - - - -
11  B 経験曲線(執筆中:β版)   
12  D 競争地位4タイプ(執筆中:α版) 
13  C 両利きの経営(構想中)
20  C ダイナミック戦略論(準備中)
番外  X 新規事業は誰が担うのか(準備中)
     << 最後に >> 上記を完読したらお読みください。


フレームワークとは

 柔道家で、柔道の形を知らずに試合に出場する人はいないでしょう。棋士で、将棋の定石を知らずに対局に臨む人はいないでしょう。ビジネスの世界でも同様です。 ビジネスパーソンも、勝つためには、あるいは、ぶざまに負けないために、ビジネスの型・定石を身に着けなければなりません。その一つがフレームワークです。
 太古から戦争に勝つために、あるいは負けないために、数々の研究が行われ戦陣訓が語られてきました。「孫氏の兵法」は良く知られていると思います。これは今の企業の戦いでも十分に有効な知見です。 20世紀に入り軍事上の研究を援用したり、経済学の知見を展開して、ビジネスの分野で勝ち抜く算段を得るための研究が欧米を中心に行われてきました。 それが経営学として分野が立ち上がり、今では数々の企業の成功や失敗の事例を研究から「理論」が導き出され、また、実務家の実践的ツールとして「フレームワーク」が提唱されております。
 あなたがビジネスパーソンで勝負に勝ちたいならば、フレームワークを学び、道具として使わない手はありません。

定石
  定石を学ばずに研究せずに戦う棋士はいない

ビジネスパーソンの基礎教養

 このページでは、新商品・新事業を担うリーダーにとって有用性の高いフレームワークを選んで紹介しております。複数のフレームワークを絡み合わせ相互に連携して活用することで、より有効対応ができるようになるので、ある程度まとめて理解して相乗効果が得られるようにすることが望ましいです。
 柔道で言えば、「背負い投げ」だけを習得して技を極めても試合では負けることになるでしょう。たしかに街のチンピラを相手にするのならば「背負い投げ」一本だけでも対処できるかもしれません。 でも、相応の力量をもった相手と戦うためには、「大外刈り」も「上四方固め」も・・・と学んでおかないと有効な攻めも守りもできません。
 では、習得する技が多ければ良いかと言えばそうでもありません。多彩さと深さを併せ持ち、かつ、得意ワザを持つことが強い柔道家になる必要不可欠なことでしょう。ビジネスも同じです。
 


有効だけど、過剰な期待は禁物

 ただし、誤解をされないようご理解をいただきたいことを説明しておきます。 まず、フレームワークは方程式を解くように新商品や新規事業のアイディアを導き出してくれるような(魔法の)ツールではありません。フレームワークはビジネスの『勝利の方程式』ではありません。これを期待していた方は残念ですがあきらめてください。 また、あまり考えなくても手順通りに進めれば一定の成果が出るようなマニュアルとも違います。自分の頭で最初から最後まで脳みそに汗をかいて考え続けなければ目的を達成できません。
「実践マニュアル」は別項で用意しております。新商品・新規事業の成功に向けた戦略的な活動にエネルギーを投入してもらうために、手順を踏んで進めることで効率化が果たせるようなことや、効果的に外注すれば済むような作業などは、実践ノウハウをご覧になってください。

 新商品や新規事業のアイディアは、皆様の ひらめき、情熱、危機感からしか産まれません。フレームワークは、産まれたビジネスを育てるために有効になるのです。あるいは大事な産まれたばかりのビジネスが殺されそうになる危機から守るためのものです。育児書を良く読んでも子供は産まれません。それは、男と女の間の情熱からしか産まれません。
 でも、産まれた子供をうまく育てるならば、父母の情熱はもちろんですが、育児書を良く読んでおくほうが良いに決まっています。育児書を読めば必ず立派な子育てができる保証が付くものではありませんが、育児書を読み、乳児の衛生管理学や発達心理学を知る親と、そうではない親とでは結果に差が出ることは明らかです。

最後に

 Best10のフレームワークを押さえておけば、マッキンゼーだのBCGだの有名コンサルタント会社のパートナーとかシニアなんちゃらという肩書を持った偉そうな人を相手にしてにも、話を聞くだけではなく質問することもきっとできるようになります。
 まずは完読してみてください。疑問があればインターネット上にも数多の情報が載っているので、さらに自己学習を深めてください。さらに専門書にも手を伸ばしてみてください。大学の社会人向けの夜間講座にも参加してみてください。
 新商品・新規事業のリーダーを担う方が、これを機に経営学の知見をビジネスの武器して、戦略を描き、実行していくことができるようになれば幸いです。
戦い
  戦略の過ちは戦術で取り返せない