お披露目パック制作
はじめに
見た目を良くしたほうが注目を得ることができて売れるのは世の常です。「新商品の中身で勝負だ!」との意気込みもあるかもしれませんが、”インスタ栄え”と言う言葉が流行っていることが示すように、よい見た目を作れることも重要視される世の中なのです。精根込めて作り上げてきた新商品・サービスであればこそ、お披露目の場の手抜きはダメです。「インスタ栄え」するような写真を撮影してもらえるように用意をすることで情報の発散を促していくことを期待するような心構えも必要なことなのです。
この取り組みは、見た目だけでの問題ではありません。あなたの新商品に掛けた想いを、”手を広げた幅(170cmぐらい)” にて表現することができなければ、誰があなたの想いを汲んで商品を買ってくれるでしょうか?
手を広げた幅の「お披露目パック」で表現する内容を通じて、お客様の立場に立って新商品の総点検をすることになります。言い換えれば、プロダクトアウトからマーケットインに思考が切り替えることができるかの点検作業を行うことになります。本章では、新商品を数々の方に効果的に見てもらうためのディスプレイを説明します。名付けて「お披露目パック」です。

- <社内向け>
新商品の試作段階でも関係者や幹部に進捗状況を説明や協力を求めていく発表前の段階からでも、お披露目パックの用意が徐々にできていれば役に立つでしょう。
- <広報>
お新商品を発表会などの対外的な場で使う。記者の取材を受けた際に使う。
- <宣伝>
展示会などの一般公開の場で使う。セミナー会場に展示する。
- <販促>
関係者(例=販売パートナー)に説明して販売拡大をお願いしていく場で使う。商談会などの一般公開の場で使う。
展示コーナーの要素
あああああああああああああああああああああああああああ
- <置き台>
新商品をコロンと机上に転がして置いておくのではなく、何か置き台を用意したいものです。予算に余裕があれば専用の置き台を特注することも考えられますが、一番簡単なものとしては適当なサイズの『アクリルスタンド』を用意し、これに置くことです。AMAZONなどのネットショップで『アクリルスタンド』と検索すれば、多々表示されますので、希望に近いモノをまずは買ってみることです。

- <キャプション>
キャプションとは商品の品名や品番を表記するプレートです。これも『アクリルスタンド』にオフィスの複合機で品名や品番を印刷した紙を適当なサイズに切って差し込めば完成です。
- <机上パネル>
新商品の背面や側面に置いて、この商品を説明するための机上パネルも作りましょう。大きさはA4、A3ぐらいのサイズで、また、縦置きか横置きかを選び、机上パネルを何枚か作ります。キャプションと同様に『アクリルスタンド』を購入し複合機で印刷した資料を挿入することでも作れます。少し本物感を出すならば「原稿をキンコーズに持ち込み、『パネル加工セット』を依頼して、さらに机上置きにする旨を伝えて机上に立てて置くための紙の足も購入します。自分で『スチレンボード』を買ってきて、複合機で印字出力した紙を貼り付けて自前で製作することもできます。

●商品の特長を訴求するメインのパネル
まず、メインとなる新商品を説明するパネルです。以下の項目の内容がしっかりと織り込まれているでしょうか?
・顧客価値
・競争優位
2章でよくよく検討した内容が織り込まれているのかを確認してください。パネルの前で、覗き込んで良く読まないとわからないようではダメです。初めて見た人はパッと5秒でわかるようになっているでしょうか? 文字は大きく、訴求ポイントは3つ程に絞り込まれていることが望ましい。言いたいことが多くては伝わりません。
●補足資料パネル
商品の仕様表、従来品や競合品との比較表、公的機関や著明な報道期間から発表されている統計情報や社会の課題を指摘する資料、などの補助的なパネルです。メインのパネルにて訴求した根拠を示すものです。
●商品の利用シーンを説明するパネル
商品の利用シーンを想定した写真などを商品の背景に置くことができると雰囲気も高まります。雰囲気だけの問題ではなく、どういう人たちに使っていただくことを想定しているのかというマーケティング上で重要となる「ターゲッティング」や、自社商品の「ポジション」を説明することにもなります。その商品が使われるのはどこでしょうか? オフィス、店舗、車、駅、工事現場、ホテル・・・・。Googleでキーワードを入れて「画像」を選択すれば、数々の写真が出てきますからこの中で一番想定されるシーンに近い画像を選びます。
ただし、Webページで表示された画像をそのままパネルにすると著作権に触れる可能性があります。そのまま使わないほうが良いです。そこで想定される写真に近い写真を自ら撮影するというのも方法です。もちろんカタログの表紙に使った写真を転用することも考えられます。
商品の撮影を行う段階で、商品単体のみならず、商品利用シーンとその背景となるシーンも一緒にカメラマンに撮影をしてもらうことなども考えられます。これらは3章で考慮いただいた点です。
- <POP>
企業ロゴ、商品ロゴ、新商品、NEW!、世界最薄、世界最軽量・・・などのキャッチーな単語もできれば用意したいものです。これも、自分で『スチレンボード』を買ってきて、複合機で印刷した紙を貼り、任意の形状に切り取って作ることできます。
- <タブレット>
iPadなどのタブレットを机上に置き、商品説明の5ページ程度の資料を5秒間隔で自動送りする紙芝居を作って表示させることで、理解を深めてもらうことができます。映像を流すこともできます。音楽を流すこともできます。展示を行う会議室やホールに大型ディスプレイがあれば、これに映像を出力することもできます。必須ではありませんが、あれば便利です。 中古のiPadやAndroidタブレットとスタンドが用意できると何かと便利です。でも頼り過ぎないことです。IT機器を使った装置は様々な表現が可能となるため、かえって、訴求ポイントを絞り込むための作業がおろそかになってしまう恐れがあるからです。俳句のように、削って、そぎ落として、要点を絞り込んでいく作業の中で相手の琴線に真意が伝わるという感覚をご理解いただけますでしょうか。
- <白布>
机の上に上記の展示グッズ一式を置く際に、机に白布を敷いておくと見栄えがぐっと良くなります。厚手の白いシーツを買ってきて適当に裁断すれば十分です。商品によっては、白色ではなく、黒や赤などが似合う場合もありますので探してみましょう。例えばアウトドアのイメージであれば迷彩色や緑のシーツも似合うでしょう。
- <スーツケース>
スーツケースを購入して新商品や上記グッズを詰め込みます。カタログも一緒に詰めることはもちろんのこと、展示の際に必要となってくることが多い文房具(はさみ、テープ、ペン・・・)や電源ケーブル(テーブルタップ)なども一緒に詰め込みます。これで、日本中のどこへでもお披露目の場を持ち出すことができます。心強い機動部隊の完成です。
新商品の引き合いを多数受けようと思えば、多数のお披露目の場を用意することが望ましく、そのためにはこうした準備にかかる工数も用意しなければなりません。でも、スーツケースによる「お披露目パック」を作ってしまえば準備の工数を大きく省略できるようになります。これにより、それ以外の新商品の実績作りの仕込み作業に工数を投入できるということにもなります。また、あなた以外の誰かに新商品のお披露目をしてもらう場合にも、この展示パックを使ってもらうことで、お披露目の品質を一様に保つことができます。海外旅行1週間分の大型のスーツケースであれば、A2サイズのパネルまで一緒に入れることができます。一方、飛行機の機内持ち込みできるサイズにとどめておけば、国内はもとより世界中を機動的に移動して伝道師のように新商品のお披露目に回ることができるようになります。お披露目のイベント後に、近所のコンビニから宅配便でオフィスに戻すことも簡単です。

